ユニットマーケット

新年のご挨拶(西暦2021年)

皆様、新年あけましておめでとうございます。

旧年は大変な年でした。コロナに感染された方、その関係者の方々にはお見舞いを、亡くなられた方にご冥福と、ご遺族の方々にはお悔やみを、心より申し上げます。小生や家族には幸いにして感染等はありませんでしたが、妻は勤めていた飲食店が営業不振で退職せざるを得なくなったり、長女は卒業式と入学式が大幅に縮小されたり、長男は友達と遊べずにストレスをためたりと、世間の中では軽いほうだとは思いますが、それなりの影響に頭を悩ませた一年ではありました。

ただ、個人的にはもう一つ気になることがありました。それは、学術会議の任命拒否問題等で顕在化した、「政治」の変容です。
任命拒否問題の顛末を見て強く感じたのは、この国の特に政治の世界では、すでに「黒いものを白いと言い張る」ことに、言うほうも、国民も慣れ始めてしまったのではないかということです。
学術会議という組織自体の問題点についてはいろいろな考え方の人もいると思うのでここではひとまず置きますが、少なくとも過去に国会で時の内閣が「形式的」に「推薦されたとおりに」任命すると明言しているものを、何の説明もなしに反故にしてはばからないということは、私は法治国家にあるまじきことと思います。仮に何らかの理由で過去の答弁に反して拒否するのなら、最低限、法改正や解釈変更を明言したうえで行う必要があると思いますが、どう見ても過去の答弁と整合しない任命拒否という行為を行いながら「解釈変更はしていない」と言い張り、任命拒否を「憲法で保障する国民の権利」と言いながら、その理由を国民に説明しようともしない、一国の首相を見て、心底この国の政治を恥ずかしいと思いました。
ここまで時の政権が横暴を働いても平気なのは、それでも国民が怒りもしないからなんでしょう。実際、国民はネットで多くの人が主張するように、学術会議という組織のほうに問題があると考えて、任命拒否自体にはあまり問題を感じていないようです。ですが、学術会議の在り方の問題と、任命拒否の問題は次元が違いすぎます。仮に、学術会議や任命を拒否された6人に、国家を危うくするに足るような問題があるとしても(そんな理由は正直思いつきませんが)、任命拒否を正当化することは、法治国家の根幹を危うくする行為です。ましてや、内閣はその理由を国民に対して明らかにするどころか、むしろ「我々に逆らうものは許さない」という圧力を暗に示しているところすらあります。民間会社ならそんな会社は決して長い目で見ては発展しませんし、むしろそれがために没落した会社は枚挙にいとまがありません。私はこれが許されては本当に日本の未来は危ういと、心の底から恐ろしく思いました。

年明けから、楽しくない話題を振ってしまいすみません。ですが、私がこのようなサイトを立ち上げたのも、この国の未来に期待をすればこそ。黙ってはいられませんでした。
末筆ながら、本年もよろしくお願い申し上げます。

2021.1.3

Unit MARKET Homepage へ戻る


mailto:master@unitmarket.jp