今年は元旦から北陸で大地震ということで、思いがけない始まりでした。犠牲者の皆様に心からお悔やみを申し上げ、被災地の皆様にはお見舞いを申し上げます。
例年の通り、昨年の振り返りから申しますれば、私のような技術屋にとって衝撃的だったのは、自動車メーカの検査不正問題です。実は私の携わる業界でも数年前に大規模な不正が発覚したばかりで、不正を行ったのは他社でしたが、お客様から見れば一蓮托生らしく、お客様からの心配の声が少なからず耳にも入りましたし、公的機関からもさまざまな「指導」が入り、少なからぬ影響がありました。
改めて昨年を振り返れば、中古自動車店チェーンの不正もあり、パーティ券売り上げのキックバック問題であったり、大手芸能事務所の性的搾取の問題であったり、トンネルの工事でコンクリートが3cmしかなかったなんて背筋が寒くなる事例もあり、なんだか数えきれないほどの問題が一斉に暴露された気がします。
そんな中で、一つだけ救いだったのは、その自動車メーカの役員が会見の中で「悪かったのは社員ではなく我々経営陣だ」と明言してくれたことでした。私自身、同じように技術屋として、迫りくる納期や許されない失敗へのプレッシャーは身をもって知っています。自分などは遅れたら遅れたと正直に言って怒られる方なんですが、それで許される事のほうがむしろ幸運で、そうではない環境にある人が自分が思っているよりもはるかに多く、隠れているような気がしてなりません。
もしかしたら、これは始まりに過ぎず、来年はもっと多くのことが明るみに出るかもしれません。そうしたとき、これまで世界中から信頼されていたはずの「Made in Japan」がどうなるのか心配ではありますが、それでも過去の膿を出し切るためには必要なことなんでしょう。自分にできることをする以外にはないと思いました。
改めて、北陸の地震被害者の皆様にお見舞いを申し上げ、また、一日も早くウクライナの戦火がやみますよう、お祈りを申し上げさせていただき、ご挨拶に代えさせていただきます
末筆ながら、本年もよろしくお願い申し上げます。